出雲国風土記・現代語訳:大原郡

現代語訳

新造院(しんぞういん)一所。:斐伊郷南新造院。雲南市木次町里方塔の村

斐伊郷(ひごう)の中にある。郡家の正南一里の所にある。厳堂(ごんどう)を建立している。〔僧が五人いる。〕大領 勝部君虫麻呂(すぐりのきみむしまろ)が造った寺である。

新造院一所。:屋裏郷新造院

屋裏郷(やうち)の中にある。郡家の東北一十一里一百二十歩の所にある。層の塔を建立している。〔僧が一人いる。〕前少領 額田部臣押嶋(ぬかたべのおみおししま)が造った寺である。〔今の少領伊去美(いこみ)の従父兄である。〕

新造院一所。:斐伊郷北新造院。雲南市木次町法花坊付近

斐伊郷の中にある。郡家の東北一里の所にある。厳堂を建立している。〔尾が二人いる。〕斐伊郷の人、樋印支知麻呂(ひのいなぎちまろ)が造った寺である。

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原文

新造院一所 在斐伊郷中。郡家正南一里。建立厳堂。〔有僧五躯。〕大領勝部君虫麻呂之所造也。

新造院一所 在屋裏郷中。郡家西北一十一里一百廿歩。建立層塔也。〔有僧一躯。〕前少領額田臣押嶋之所造也。〔今少領伊去美之従父兄也。〕

新造院一所 在斐伊郷中。郡家東北一里。建立厳堂。〔有尼二躯。〕斐伊郷人樋仰支知麻呂之所造也。

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