出雲国風土記・現代語訳:飯石郡

現代語訳

飯石郡(いいし)

合わせて郷七。〔里十九〕

熊谷郷(くまたに) 今も前のままの字を用いる。

三屋郷(みとや) もとの字は三刀矢(みとや)。

飯石郷(いいし) もとの字は伊鼻志(いびし)。

多禰郷(たね) もとの字は種(たね)。

須佐郷(すさ) 今も前のままの字を用いる。

〔以上の五郷は、郷ごとに里三ずつ。〕

波多郷(はた) 今も前のままの字を用いる。

来島郷(きじま) もとの字は支自真(きじま)。

〔以上の二郷は、郷ごとに里二ずつ。〕

飯石と名付けるわけは、飯石郷の中に伊毘志都弊命(いびしつべ)※1が鎮座していらっしゃる。だから、飯石という。

※1 伊毘志都弊命:風土記固有の神

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原文

合郷 漆里一十九。

熊谷郷 今依前用。

三屋郷 本字 三刀屋。

飯石郷 本字 伊鼻志。

多禰郷 本字 種。

須佐郷 今依前用。

以上伍、郷別里参。

波多郷 今依前用。

来嶋郷 本字 支自真。

以上貳、郷別里貳。

所以号飯石者、飯石郷中、伊毘志都幣命坐。故云飯石。

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